~ ニート問題 ~ ニート増加の及ぼす影響
ニート問題が世間でよく取り上げられるようになり早数年が経ちました。
ニートの増加は、いったいどのような形で社会に影響を及ぼすのでしょうか。
まず重大な影響として、日本の労働人口が少なくなり労働力が低下することが考えられます。労働力だけではなく技術や知識も低下し、国際競争力は弱くなります。少子高齢化による労働力の低下の上にニートが急増すれば、経済成長率を急激に鈍化させることになるでしょう。
もう一つには税収の問題があります。本来なら学校を卒業した若者は働いて社会保険料や税金を納めるべきですが、ニートとなる若者は収入がないため納めることができません。親に養ってもらえるうちはまだよいですが、親がいなくなった後には生活保護を受ける立場にもなりかねません。少子高齢化によって国民の負担が増す上に、生活保護家庭が増えるとなると、さらなる財政の悪化が心配されます。
さらにニートの若者は収入がないため、結婚することが難しくなります。未婚者が増加すれば少子化が加速し、急激な労働力の低下や消費の減退、財政の悪化などを招きます。
また、経済的、心理的に追い詰められたニートによる犯罪の増加も懸念されています。実際にイギリスではニートによる薬物乱用や犯罪が増加しています。
社会への影響ばかりではなく、ニート本人の将来へも大きな影響を与えます。ニート期間が長いほどその後の就職は難しくなり、就職したとしてもニートでなかった人との給与面や待遇面で差がつくことになるのです。
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近年、ニート問題がよく話題にのぼるようになってきました。
政府もニート問題を深刻な社会問題として受け止め、さまざまな政策を考案しています。
しかし若者の間では、「ニートがなぜいけないの?」という素朴な疑問を持つ人も多いようです。
昔の考え方では「学生は卒業したら働く」のが当然であり、それに疑問を持つ人はいませんでした。
「働かざるもの食うべからず」です。
医療や交通、学校、年金などは働く人の税金によって成り立っています。
誰しも生きていく上で、なんらかの社会から恩恵を受けているのです。
学校で学ぶべきことを学んだ後は、これまでに受けた恩恵を後世に引き継ぐために社会に貢献する・・・、こういう考え方が当然とされていたのです。
しかし時代は変わりました。
現代の若者はそのように考えない人も多いのです。
社会に出る意味について深く考えることもない、働く意欲も特にない・・・こういう人が増加してきています。
労働人口が減少するにつれ産業競争力は低下し、日本の商業レベルは下がっていくでしょう。
また、ニートはもちろん個人としての問題でもあります。
ニート生活を脱して、正規社員になるのは簡単ではありません。
門はとても狭く、中高年のニートが増加していることも問題です。
経験や職業能力のなければなおさらのこと、手をこまねいているうちに更に年齢を重ね、いっそう大きな所得格差を招きます。
各家庭においても、ニート問題は深刻です。
ニートは収入がないので、自分以外の同居者(主に両親)に経済的に依存します。
もちろん裕福な家庭においては、子どもが働かなくても充分家計が成り立つ・・・ということもあるでしょう。
しかし日本の多くの家庭では、子供がニートのまま自分が先立ったら子供の人生はどうなるのか?とても不安に感じるものだと思います。
ニート問題は家庭や日本社会の維持、発展に関わる問題です。
まずはそう認識することが第一歩となるでしょう。
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