~ ニート問題 ~ ニートの政策
ニートの増加が社会問題となっていますが、日本では国をあげてさまざまな政策を行っています。
その一つが企業の再チャレンジ制度の推進なのですが、再チャレンジとは中途採用のことです。
国ではニートの再チャレンジに協力的な民間企業に対して、税制上の優遇措置や表彰制度が検討されています。
しかしニートを積極的に採用する企業はまだ少なく、ニートの社会復帰は厳しいのが現実です。そこで民間企業に先駆けて、国家公務員試験では再チャレンジ制度が導入されました。これはニートに国家公務員の門戸を開き、社会復帰のチャンスを与えようというものです。この制度にはこれまで大勢のニートが応募していますが、応募者に対して採用枠が少ないため、相当狭き門となっています。
また、近年では全国で若者自立塾が設立されています。これもニートが若者らしい意欲を取り戻すために厚生労働省が始めた政策です。内容は3か月以内の合宿形式による集団生活の中で、資格取得のための学習や職場体験などの労働体験を行います。平成17年から始まったこの事業は、卒塾生の就業や進学においてある程度の成果を出していますが、まだ多くの課題が残されている政策です。
さらに文部科学省でもニートに対する政策を行っています。文部科学省ではニートになる前に予防することに重点を置き、中学校を中心に卒業前に5日間ほど、地元の店や保育所などで職場体験をさせ、予防授業を行うことなどを推進しています。
また既にニートである人やその保護者を対象に、職業教育や学習支援などの「学び直し」の機会を提供しています。
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近年、ニート問題がよく話題にのぼるようになってきました。
政府もニート問題を深刻な社会問題として受け止め、さまざまな政策を考案しています。
しかし若者の間では、「ニートがなぜいけないの?」という素朴な疑問を持つ人も多いようです。
昔の考え方では「学生は卒業したら働く」のが当然であり、それに疑問を持つ人はいませんでした。
「働かざるもの食うべからず」です。
医療や交通、学校、年金などは働く人の税金によって成り立っています。
誰しも生きていく上で、なんらかの社会から恩恵を受けているのです。
学校で学ぶべきことを学んだ後は、これまでに受けた恩恵を後世に引き継ぐために社会に貢献する・・・、こういう考え方が当然とされていたのです。
しかし時代は変わりました。
現代の若者はそのように考えない人も多いのです。
社会に出る意味について深く考えることもない、働く意欲も特にない・・・こういう人が増加してきています。
労働人口が減少するにつれ産業競争力は低下し、日本の商業レベルは下がっていくでしょう。
また、ニートはもちろん個人としての問題でもあります。
ニート生活を脱して、正規社員になるのは簡単ではありません。
門はとても狭く、中高年のニートが増加していることも問題です。
経験や職業能力のなければなおさらのこと、手をこまねいているうちに更に年齢を重ね、いっそう大きな所得格差を招きます。
各家庭においても、ニート問題は深刻です。
ニートは収入がないので、自分以外の同居者(主に両親)に経済的に依存します。
もちろん裕福な家庭においては、子どもが働かなくても充分家計が成り立つ・・・ということもあるでしょう。
しかし日本の多くの家庭では、子供がニートのまま自分が先立ったら子供の人生はどうなるのか?とても不安に感じるものだと思います。
ニート問題は家庭や日本社会の維持、発展に関わる問題です。
まずはそう認識することが第一歩となるでしょう。
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