~ ニート問題 ~ 世界のニート問題
最近の日本では、ニート問題が頻繁に取り上げられていますね。
しかしニート問題は日本のものだけではありません。
世界各国でみられる問題です。
とはいえ、ニートの定義は国によって異なっています。
ニートという言葉を生み出したイギリスではニート問題は既に広く知られていますが、その背景は日本のとは全く異なり、人種や地域、階級社会などが深く関わっています。
欧米ではニートの明確な定義はありませんが、就業や就学、職業訓練をしていない若者は多く存在し、「社会参加困難者」と認識されています。人種や格差社会などの問題が背景にあると考えられています。
日本の隣の国、中国では近年世界の工場として著しい発展を遂げた国ですが、離職率が高く、失業者が多いことでも知られています。その中国でもここ10年程でニートが急増し、その数は16歳から35歳の若者で1200万人を超えています。また、経済的に自立ができず親に頼っている若者は全体の30%前後存在すると言われています。中国のニート問題の背景にはさまざまな事情が考えられますが、その一つは1979年から始まった一人っ子政策だと言われています。
韓国もニート問題を抱える国の一つです。韓国は近年失業率が高まっており、特に青年の失業が社会問題となっています。また、兵役制度のため職業訓練が遅れることや、職業に対する理想が高く、肉体労働など敬遠することもニートになる一因だと言われています。
ある報告では韓国の15歳から29歳の若者では6人に1人がニートだとされています。
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近年、ニート問題がよく話題にのぼるようになってきました。
政府もニート問題を深刻な社会問題として受け止め、さまざまな政策を考案しています。
しかし若者の間では、「ニートがなぜいけないの?」という素朴な疑問を持つ人も多いようです。
昔の考え方では「学生は卒業したら働く」のが当然であり、それに疑問を持つ人はいませんでした。
「働かざるもの食うべからず」です。
医療や交通、学校、年金などは働く人の税金によって成り立っています。
誰しも生きていく上で、なんらかの社会から恩恵を受けているのです。
学校で学ぶべきことを学んだ後は、これまでに受けた恩恵を後世に引き継ぐために社会に貢献する・・・、こういう考え方が当然とされていたのです。
しかし時代は変わりました。
現代の若者はそのように考えない人も多いのです。
社会に出る意味について深く考えることもない、働く意欲も特にない・・・こういう人が増加してきています。
労働人口が減少するにつれ産業競争力は低下し、日本の商業レベルは下がっていくでしょう。
また、ニートはもちろん個人としての問題でもあります。
ニート生活を脱して、正規社員になるのは簡単ではありません。
門はとても狭く、中高年のニートが増加していることも問題です。
経験や職業能力のなければなおさらのこと、手をこまねいているうちに更に年齢を重ね、いっそう大きな所得格差を招きます。
各家庭においても、ニート問題は深刻です。
ニートは収入がないので、自分以外の同居者(主に両親)に経済的に依存します。
もちろん裕福な家庭においては、子どもが働かなくても充分家計が成り立つ・・・ということもあるでしょう。
しかし日本の多くの家庭では、子供がニートのまま自分が先立ったら子供の人生はどうなるのか?とても不安に感じるものだと思います。
ニート問題は家庭や日本社会の維持、発展に関わる問題です。
まずはそう認識することが第一歩となるでしょう。
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