~ ニート問題 ~ ニートと就職難
ニートと就職難には深い関係があり、日本では1986年から1991年頃にバブルと呼ばれる時代がありました。
当時の日本の景気は絶頂期でした。
企業では事業拡大のために大量に学生を採用し、就職はそれまでにないほどの売り手市場でした。
しかしその後バブルが崩壊し、景気は急激に悪化しました。企業は新卒の採用を控え、「就職氷河期」と呼ばれるようになりました。特に1995年、1996年では「就職氷河期」のピークであり、採用を見合わせる企業が多く現れ、学生の就職活動はとても厳しいものとなりました。希望の企業や業界に就職できなかった学生がほとんどで、やむを得ず希望していない業界に就職したり、就職浪人になったり、進学するなどの道を選ぶことになりました。就職をする機会に恵まれずに、やむを得ずニートやフリーターになる若者も急増したのでした。
その後1997年からは景気は緩やかに回復し、就職は売り手市場となりましたが、2000年から2002年頃には再び就職難が訪れています。
このような時代を経て、若者の就職に対する意識も変わり、一旦就職しても数年で辞めてしまう若者や、働く意欲のないニートが増加したと考えられます。さらに新卒しか採用しない企業が存在することもニートの増加の要因の一つです。
ニートは否定的に見られがちですが、運悪く就職難の時期に就職活動をしなければならなかった若者に対して、個人や家庭だけを責められないのです。
現在もまた世界的な景気の悪化により、就職難が訪れています。社会や企業の努力によって、ニートになる若者を増やさないことが求められます。
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近年、ニート問題がよく話題にのぼるようになってきました。
政府もニート問題を深刻な社会問題として受け止め、さまざまな政策を考案しています。
しかし若者の間では、「ニートがなぜいけないの?」という素朴な疑問を持つ人も多いようです。
昔の考え方では「学生は卒業したら働く」のが当然であり、それに疑問を持つ人はいませんでした。
「働かざるもの食うべからず」です。
医療や交通、学校、年金などは働く人の税金によって成り立っています。
誰しも生きていく上で、なんらかの社会から恩恵を受けているのです。
学校で学ぶべきことを学んだ後は、これまでに受けた恩恵を後世に引き継ぐために社会に貢献する・・・、こういう考え方が当然とされていたのです。
しかし時代は変わりました。
現代の若者はそのように考えない人も多いのです。
社会に出る意味について深く考えることもない、働く意欲も特にない・・・こういう人が増加してきています。
労働人口が減少するにつれ産業競争力は低下し、日本の商業レベルは下がっていくでしょう。
また、ニートはもちろん個人としての問題でもあります。
ニート生活を脱して、正規社員になるのは簡単ではありません。
門はとても狭く、中高年のニートが増加していることも問題です。
経験や職業能力のなければなおさらのこと、手をこまねいているうちに更に年齢を重ね、いっそう大きな所得格差を招きます。
各家庭においても、ニート問題は深刻です。
ニートは収入がないので、自分以外の同居者(主に両親)に経済的に依存します。
もちろん裕福な家庭においては、子どもが働かなくても充分家計が成り立つ・・・ということもあるでしょう。
しかし日本の多くの家庭では、子供がニートのまま自分が先立ったら子供の人生はどうなるのか?とても不安に感じるものだと思います。
ニート問題は家庭や日本社会の維持、発展に関わる問題です。
まずはそう認識することが第一歩となるでしょう。
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