~ ニート問題 ~ ニートと対人恐怖症
ニートの若者の中には、対人恐怖症である人が多く見られます。
対人恐怖症の症状は、人前で話したり、初対面の人と会う時の緊張がひどいなどの日常生活に支障をきたすような深刻なものです。
現在、軽度な人を含めると10人に1人から2人が対人恐怖症であるほどありふれた病気です。
対人恐怖症の人は「自分が人にどう思われるか」「恥をかくのではないか」と、他人の視線を気にしすぎて、不安や恐怖を異常に大きく感じてしまうのです。
一口に対人恐怖症といってもさまざまな種類があります。代表的なものには視線恐怖症、電話恐怖症、自己臭恐怖症、赤面恐怖症があります。症状も人によってさまざまで、冷や汗が出る、息苦しくなる、声が出なくなる、ひどい場合にはパニック発作が起きる人もいます。このような症状のために、会社に就職しても人と交わることが困難になります。
その悩みは深刻で、ニート問題としても難しい課題です。治療と本人の努力によって解決しなければならない問題です。
対人恐怖症は中学生頃に発症する人もいますが、多くは社会に出て人と接触する機会が増えることによって発症します。特に就職する頃は慣れない社会で急に幅広く人と接する機会が増えるため、対人恐怖症が現れやすいのです。
対人恐怖症の治療は心療内科でカウンセリングなどを中心に行われます。定期的に適切な治療を受けることによって回復が可能です。ニートを脱出するためには、まず対人恐怖症を乗り越えることが先決です。
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近年、ニート問題がよく話題にのぼるようになってきました。
政府もニート問題を深刻な社会問題として受け止め、さまざまな政策を考案しています。
しかし若者の間では、「ニートがなぜいけないの?」という素朴な疑問を持つ人も多いようです。
昔の考え方では「学生は卒業したら働く」のが当然であり、それに疑問を持つ人はいませんでした。
「働かざるもの食うべからず」です。
医療や交通、学校、年金などは働く人の税金によって成り立っています。
誰しも生きていく上で、なんらかの社会から恩恵を受けているのです。
学校で学ぶべきことを学んだ後は、これまでに受けた恩恵を後世に引き継ぐために社会に貢献する・・・、こういう考え方が当然とされていたのです。
しかし時代は変わりました。
現代の若者はそのように考えない人も多いのです。
社会に出る意味について深く考えることもない、働く意欲も特にない・・・こういう人が増加してきています。
労働人口が減少するにつれ産業競争力は低下し、日本の商業レベルは下がっていくでしょう。
また、ニートはもちろん個人としての問題でもあります。
ニート生活を脱して、正規社員になるのは簡単ではありません。
門はとても狭く、中高年のニートが増加していることも問題です。
経験や職業能力のなければなおさらのこと、手をこまねいているうちに更に年齢を重ね、いっそう大きな所得格差を招きます。
各家庭においても、ニート問題は深刻です。
ニートは収入がないので、自分以外の同居者(主に両親)に経済的に依存します。
もちろん裕福な家庭においては、子どもが働かなくても充分家計が成り立つ・・・ということもあるでしょう。
しかし日本の多くの家庭では、子供がニートのまま自分が先立ったら子供の人生はどうなるのか?とても不安に感じるものだと思います。
ニート問題は家庭や日本社会の維持、発展に関わる問題です。
まずはそう認識することが第一歩となるでしょう。
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