~ ニート問題 ~ ニートと家事手伝い
ニートと区別が難しいものに家事手伝いがありますが、家事手伝いとは、親に代わり一家の家事全般を担っているとか、家族経営の事業を手伝っている、家族の介護や幼い兄弟の養育をしていることを意味するものです。
しかし、現実には家事を全く行っておらず、就職や就学の意志のない女性が、花嫁修業を理由に家事手伝いを自称することが多いようです。特に裕福な家庭では働かなくても養ってもらえるため社会に出ず、体裁を保つために家事手伝いを自称する女性が存在するのです。
日本ではこれまで学校を卒業したら就職して経済的に親から自立をし、国に税金を納めることが国民としての義務だと考えられてきました。家事手伝いはやむをえない事情で就職できない場合や、結婚や就職の予定がありそれまでの間一時的に家事を手伝って過ごす場合にだけ使用する言葉だったのです。
時代が変わり、現在では家事手伝いは裕福な家庭のステータスのように捉えられることもあり、本来の意味合いは失われつつあります。体裁を保つだけの自称「家事手伝い」は本来ならばニートとして数えられるべきですが、現実にはさまざまなケースがあり、本来の意味での家事手伝いを把握するのは困難なのです。
厚生労働省の定義では、実際に普段の生活で家事を行っている場合はニートではないと定義されていますが、内閣府によれば家事手伝いもニートに含むとしています。このように政府においても区別は曖昧であり、「家事手伝い」とひとまとめに捉えられないのが実情です。
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近年、ニート問題がよく話題にのぼるようになってきました。
政府もニート問題を深刻な社会問題として受け止め、さまざまな政策を考案しています。
しかし若者の間では、「ニートがなぜいけないの?」という素朴な疑問を持つ人も多いようです。
昔の考え方では「学生は卒業したら働く」のが当然であり、それに疑問を持つ人はいませんでした。
「働かざるもの食うべからず」です。
医療や交通、学校、年金などは働く人の税金によって成り立っています。
誰しも生きていく上で、なんらかの社会から恩恵を受けているのです。
学校で学ぶべきことを学んだ後は、これまでに受けた恩恵を後世に引き継ぐために社会に貢献する・・・、こういう考え方が当然とされていたのです。
しかし時代は変わりました。
現代の若者はそのように考えない人も多いのです。
社会に出る意味について深く考えることもない、働く意欲も特にない・・・こういう人が増加してきています。
労働人口が減少するにつれ産業競争力は低下し、日本の商業レベルは下がっていくでしょう。
また、ニートはもちろん個人としての問題でもあります。
ニート生活を脱して、正規社員になるのは簡単ではありません。
門はとても狭く、中高年のニートが増加していることも問題です。
経験や職業能力のなければなおさらのこと、手をこまねいているうちに更に年齢を重ね、いっそう大きな所得格差を招きます。
各家庭においても、ニート問題は深刻です。
ニートは収入がないので、自分以外の同居者(主に両親)に経済的に依存します。
もちろん裕福な家庭においては、子どもが働かなくても充分家計が成り立つ・・・ということもあるでしょう。
しかし日本の多くの家庭では、子供がニートのまま自分が先立ったら子供の人生はどうなるのか?とても不安に感じるものだと思います。
ニート問題は家庭や日本社会の維持、発展に関わる問題です。
まずはそう認識することが第一歩となるでしょう。
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