~ ニート問題 ~ 仮面ニート
「仮面ニート」という言葉をごぞんじですか?
働く意欲や目的を特に見いだせない状態ながらも、会社を辞めずに働き続ける若者のことをそう呼びます。
仮面ニートは一応会社に籍を置き、毎日通勤していますが、実質的にはニートと同じです。
社内に存在するニート予備軍と似ていますが、仮面ニートは本人に会社を辞めるという考えがないという点が異なります。
仮面ニートの多くは、労働意欲がないために仕事上で必要な技術や能力を向上させることができません。そのため与えられる仕事も少なく、人並みに昇給、昇進することができません。会社側も容易に解雇できないため、会社にいながら失業状態にあると言えます。
仮面ニートになる理由には、意欲を持って就職した後に現実と理想との差に失望し、働く意欲を失ってしまったという場合や、もともと就職自体に意欲的ではなかった場合などがあります。その原因として、本人の労働に対する考えの未熟さや家庭教育の問題もありますが、一方では若者を失望させてしまう社会の在り方が問題として指摘されています。例えば近年の景気の悪化によるリストラ、厳しい労働環境による過労死、努力が報われていない上司や先輩の姿などです。
仮面ニートは本当のニートでなないため周囲の人も気づかず、本人にも危機感があまりありません。また、政府や民間団体のニート支援の手も届かず、状況が改善されにくいのが問題です。会社においては働かない「給料泥棒」のような存在になり、会社にとっても本人にとっても不幸なことです。
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近年、ニート問題がよく話題にのぼるようになってきました。
政府もニート問題を深刻な社会問題として受け止め、さまざまな政策を考案しています。
しかし若者の間では、「ニートがなぜいけないの?」という素朴な疑問を持つ人も多いようです。
昔の考え方では「学生は卒業したら働く」のが当然であり、それに疑問を持つ人はいませんでした。
「働かざるもの食うべからず」です。
医療や交通、学校、年金などは働く人の税金によって成り立っています。
誰しも生きていく上で、なんらかの社会から恩恵を受けているのです。
学校で学ぶべきことを学んだ後は、これまでに受けた恩恵を後世に引き継ぐために社会に貢献する・・・、こういう考え方が当然とされていたのです。
しかし時代は変わりました。
現代の若者はそのように考えない人も多いのです。
社会に出る意味について深く考えることもない、働く意欲も特にない・・・こういう人が増加してきています。
労働人口が減少するにつれ産業競争力は低下し、日本の商業レベルは下がっていくでしょう。
また、ニートはもちろん個人としての問題でもあります。
ニート生活を脱して、正規社員になるのは簡単ではありません。
門はとても狭く、中高年のニートが増加していることも問題です。
経験や職業能力のなければなおさらのこと、手をこまねいているうちに更に年齢を重ね、いっそう大きな所得格差を招きます。
各家庭においても、ニート問題は深刻です。
ニートは収入がないので、自分以外の同居者(主に両親)に経済的に依存します。
もちろん裕福な家庭においては、子どもが働かなくても充分家計が成り立つ・・・ということもあるでしょう。
しかし日本の多くの家庭では、子供がニートのまま自分が先立ったら子供の人生はどうなるのか?とても不安に感じるものだと思います。
ニート問題は家庭や日本社会の維持、発展に関わる問題です。
まずはそう認識することが第一歩となるでしょう。
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