~ ニート問題 ~ ニートとデュアルシステム
政府のニート対策の一つである「デュアルシステム」について説明します。
厚生労働者では2004年より「デュアルシステム」を始めました。
デュアルシステムとはドイツでは以前から導入されているシステムです。ドイツは世界の中でも若者の失業率が低い国です。日本の政府はドイツをお手本とし、デュアルシステムによって若者の就業意欲を向上させて、ニート増加に歯止めをかけることを目指しています。
デュアルはドイツ語で「2つの」という意味があり、デュアルシステムでは企業と定時制職業学校の2つの場所を指しています。
ドイツでは中学校課程を終えると1週間のうち3日間を企業の職業訓練、2日間は職業学校で学習をし、この過程が3年半ほど続けられます。ドイツでは若者の6割がこのデュアルシステムに参加しているほど、ドイツの若者を支える社会の中心的システムとなっています。
日本のデュアルシステムは、国から委託を受けた職業安定所や専門学校などの施設が、ニートやフリーターへ講義を行うなど、企業で実習活動を行います。働くことと学ぶことを並行して行うことによって、日本の若者が職業人として育つことが期待されています。
ドイツは企業が主導で職業訓練を行うのに対し、日本ではまだ学校主導の職業訓練です。若者と企業をつなげるために、日本でも企業主導のシステム作りが求められています。
デュアルシステムは政府の掲げる「若者自立・挑戦プラン」では「ジョブカフェ」と並ぶ大きな柱です。このシステムが始まって既に数年が経過しましたが、卒業生にはそれなりの成果が表れているということです。
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近年、ニート問題がよく話題にのぼるようになってきました。
政府もニート問題を深刻な社会問題として受け止め、さまざまな政策を考案しています。
しかし若者の間では、「ニートがなぜいけないの?」という素朴な疑問を持つ人も多いようです。
昔の考え方では「学生は卒業したら働く」のが当然であり、それに疑問を持つ人はいませんでした。
「働かざるもの食うべからず」です。
医療や交通、学校、年金などは働く人の税金によって成り立っています。
誰しも生きていく上で、なんらかの社会から恩恵を受けているのです。
学校で学ぶべきことを学んだ後は、これまでに受けた恩恵を後世に引き継ぐために社会に貢献する・・・、こういう考え方が当然とされていたのです。
しかし時代は変わりました。
現代の若者はそのように考えない人も多いのです。
社会に出る意味について深く考えることもない、働く意欲も特にない・・・こういう人が増加してきています。
労働人口が減少するにつれ産業競争力は低下し、日本の商業レベルは下がっていくでしょう。
また、ニートはもちろん個人としての問題でもあります。
ニート生活を脱して、正規社員になるのは簡単ではありません。
門はとても狭く、中高年のニートが増加していることも問題です。
経験や職業能力のなければなおさらのこと、手をこまねいているうちに更に年齢を重ね、いっそう大きな所得格差を招きます。
各家庭においても、ニート問題は深刻です。
ニートは収入がないので、自分以外の同居者(主に両親)に経済的に依存します。
もちろん裕福な家庭においては、子どもが働かなくても充分家計が成り立つ・・・ということもあるでしょう。
しかし日本の多くの家庭では、子供がニートのまま自分が先立ったら子供の人生はどうなるのか?とても不安に感じるものだと思います。
ニート問題は家庭や日本社会の維持、発展に関わる問題です。
まずはそう認識することが第一歩となるでしょう。
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